農機具や構築物を購入した際、実際の価格より安く購入できる場合があります。ここでよく登場する言葉として、「値引」や「割引」という言葉がありますが、この2つには違いがあります。
「値引」とは、品質を理由にして、モノやサービスの代金を安くすることを言います。
一方、「割引」は支払期日よりも早く支払ってもらうことで、モノやサービスの代金を安くすることを言います。
この違いにより会計処理が異なります。
例えば、1,000万円のコンバインを800万円で購入できたとします。
この差額200万円が「値引」の場合、
機械装置 8,000,000 / 現金・預金 8,000,000
となります。
一方、「割引」の場合は、
機械装置 10,000,000 / 現金・預金 8,000,000
/ 固定資産購入割引料 2,000,000
という仕訳になります。
割引には金利の性質があるため、その調整として固定資産購入割引料という収益(営業外)として処理されます。
また、この仕訳の違いにより税務の観点からも違いが生まれます。
固定資産の取得額は、耐用年数に応じた減価償却費として毎期費用処理することになります。そのため、値引の場合は800万円を、割引の場合は1,000万円を減価償却していくことになります。
減価償却費は当然、費用ですので、費用が大きいほど収入が抑えられ税金も少なくなります。
つまり、「割引」を受けた場合の減価償却費の方が費用が大きくなり、耐用年数期間中の税金は安く抑えられます。しかし、購入時点では、「固定資産購入割引料」という収益が生まれるため、購入年度の税金は高くなります。
結果的に納める税金に差は出ませんが、費用や収益の発生時期や額が違うということですね。
価格を安く購入した場合には、この「値引」「割引」の違いに注意して仕訳をしましょう。