農研機構は、大豆で排水溝を掘りながら播種(はしゅ)できる「一工程浅耕播種法」を開発した。畝の両側にディスクで排水対策の溝を付けながら、逆転ロータリーで浅く耕し播種する。作業速度が速いのも特徴で、実証では従来の方法より播種時間を13%削減、10アール当たり収量は52%高めた。農機メーカーと実用化へ検討を進めている。
開発した方法は、畝の両側に15センチほどの排水溝を掘りながら浅耕するため、10センチ程度の作土層の下に、台形の不耕起層が残る。不耕起層の表面を水が流れて排水溝に流れる構造のため、降雨時でも水が畝内にたまりにくい。播種後から中耕・培土までの期間に湿害に遭いにくくなる。
同機構は、新たな播種法は作業時間も短く、農家の規模拡大にも対応できるとみる。実用化へ、逆転ロータリーにディスクを取り付けるアタッチメントの開発に向けた協議をメーカーと進める。