水田の畑地化を促す「畑地化促進事業」を巡り、政府が2024年産の単価を10アール当たり14万円とする方針を固めたことが9日、分かった。畑地化に際し1回限り交付するもので、野菜などの高収益作物と麦・大豆などの畑作物いずれも同じ額とする。同10万5000円に引き下げる案を一度示していたが、合意形成に時間を要する産地に配慮し、軌道修正する。
一方、自民党からは単価の急激な引き下げの影響を不安視する声が続出。同党の水田農業振興議員連盟(小野寺五典会長)は単価維持を求める緊急決議をまとめ、宮下一郎農相に申し入れている。
政府はこうした懸念・反発や、合意形成に時間を要する産地もあるとの意見を踏まえ、単価の急激な引き下げ案を見直す。高収益作物と畑作物のいずれも10アール当たり14万円とする方向だ。
同事業のうち、畑地化後の畑作物などの定着に向けて一定期間交付する「定着促進支援」の単価や期間は、24年産でも23年産と同じとする。
政府は23年度補正予算で同事業に750億円を充てる方針。補正予算案は10日にも閣議決定し、今国会に提出、早期成立を目指す。