農水省は、肥料高騰対策「化学肥料低減定着対策」の助成申請の手続きを見直し、1500万円まで一括で申請できるようにした。10月下旬の第3期公募開始分までは1回当たり500万円が上限で、複数回分の一括申請は認めていなかった。
複数回申請できることの周知が不十分だった上に、地域協議会の事務負担が大きかった。予算額にも余裕があったため運用を見直した。
同対策は、堆肥の利用や土壌診断などに取り組む地域に助成。市町村やJAなどでつくる地域協議会がまとめて申請する。ただ同省によると、500万円では足りず、農家への交付単価を低く設定せざるを得なかった地域もあったという。
同省は通知で、12月1日が公募締め切りの第5期は、3・4期に申請していない地域を対象に、上限を3回分に相当する1500万円とした。ただし、500万円ごとに取り組み内容を変えるか、交付対象の農家を変える必要がある。
同省は「金額のかかる大きな取り組みも、計画を立てやすくなる」(技術普及課)と強調する。今年6月以降の肥料注文や堆肥散布の発注分から支援するなど、対策の内容は変わらない。
同省によると、第2期までの交付総額は28億円。肥料高騰の「支援金」として2022年度予備費から支出した788億円の残額を財源に充てている。